Saturday, April 18, 2009

小泉元首相「改革の難しさ示した」 「かんぽの宿」売却凍結を批判

2009.4.8 20:26
このニュースのトピックスかんぽの宿譲渡問題

京都「正論」懇話会第24回講演会兼第247回全国縦断「正論」京都講演会が8日、京都市ホテルグランヴィア京都で開かれ、自民党の小泉純一郎元首相が「日本の進路」と題し、行財政改革や環境問題をテーマに講演した。小泉氏は日本郵政の保養・宿泊施設「かんぽの宿」売却問題に触れ、行財政改革の必要性を訴えた。

 小泉氏は、鳩山邦夫総務相による売却凍結決定を「問題の本質は、役所がやる必要のない事業をやったことだ。無駄な仕事をなくす行財政改革がいかに難しいかを、かんぽの宿は示している」と批判した。

 また、追加経済対策で財政支出が増大することを念頭に「今は不況だからばらまいているが、いずれ返済のためもっと多くの税金を使わなければいけなくなる。国民の負担をどう軽減するかを考えなければいけない」と指摘。環境問題では、政府が低公害車の開発を支援すべきだと述べた。

 小泉氏は今年2月、郵政民営化見直しを示唆した麻生太郎首相を「笑っちゃうくらいあきれている」と批判して以降、政局にからむ発言を控えており、講演でも「もう政局の話はしない」と発言を封印した。

小泉純一郎元首相の講演要旨

 【行財政改革】

 京都は昔から権力闘争の中心地。政権交代、修羅場をいくつもくぐり抜けてきた土地だ。私は首相を辞めたのだから、もう政局の話はしない。

 「かんぽの宿」売却問題の本質は、役所がやる必要のない事業をやったことだ。運営主体の旧簡易保険福祉事業団の理事長は旧郵政省の事務次官経験者で、役所は天下り先の確保策を考えた。民間に任せておけばいいものを「加入者の福祉」ということで造った。無駄な仕事をなくす行財政改革がいかに難しいかをかんぽの宿は示している。

 これから行財政改革の必要性が弱まることはない。今、不況だからばらまいているが、いずれ、返済のためもっと多くの税金を使わなければならなくなる。かんぽの宿の売却価格が高いか低いかの問題ではなく、国民の負担をどう軽減するか、福祉とは何かを考えなければいけないのに、マスコミはそれを教えない。

首相を辞めて、環境保護と経済発展の両立に重点を置いて活動している。かつて、環境保護はカネがかかり経済の発展を阻害するという考え方があったが、そうではない。環境保護で経済発展を促す政策を打っていかなければならない。

 両立のため大事なのは脱石油社会の実現だ。日本は先進国の中でも石油依存度が高く、さらに下げなければいけない。

 省エネ、代替エネルギー開発を進め、石油依存度を下げることで経済は強くなる。日本は世界一厳しい排ガス規制をやったおかげで、日本の車は環境に優しいし、省エネ技術でわずかなガソリンで長く走る。厳しい規制が世界で先端的な技術開発につながった。開発者に激励を与えるような政府の対策が必要だ。

 【100年に一度の危機】

 今、100年に1度の危機といわれる。戦争の連続だった明治時代、大恐慌時代、第2次世界大戦後に比べれば、今の苦しさでめげてはいけない。日本人の底力を冷静に見極め、「ピンチはチャンス」という意識を持つべきだ。

 私は昭和天皇が昭和21年の歌会始で詠まれた「ふりつもるみ雪にたへていろかへぬ松ぞををしき人もかくあれ」というお歌に感銘している。日本が敗戦を喫してから半年もたっていない一番困難な時期に、日本国民よ雄々しく国家を建設しようと詠まれたと思う。

 大変、厳しい時代だが、日本の国はいくつかの危機に耐えて立ち直ってきた。この危機を乗り越えるためともに頑張ろう。


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